lacaniana  

ラカンの全著作・全講義を年代順に読破するプロジェクト。

2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

エディプス批判の書としてのドラ症例:「転移に関する私見」

*「転移に関する私見」(Intervention sur le transfert, 1951) 1951年のロマンス語精神分析者会議での講演。『エクリ』所収。 「ただ分析家がそこにいるということだけですでに対話の次元が生じている」。転移とはこのような状況である。転移とは「目に見…

精神分析にとって罪とはなにか?:「犯罪学における精神分析の機能にむける理論的序説」

*「犯罪学における精神分析の機能にむける理論的序説」(Introduction théorique aux fonctions de la psychanalyse en criminologie, 1950) 同年の「フランス語圏精神分析家会議」における Michel Cenac との共同発表。『エクリ』所収。最初のパートのタ…

隠喩としての建築:「鏡像段階」論において描き出された夢の一場面の解釈

*「精神分析的経験においてわれわれに明らかになったかぎりでの<わたし>の機能を形成するものとしての鏡像段階」(Le stade du miroir comme formateur de la fonction du Je telle qu’elle nous est révélée dans l’expérience psychanalytique, 1949) …

現代文明の居心地わるさ:「精神分析における攻撃性」

*「精神分析における攻撃性」(L'agressivité en psychanalyse, 1948) 『エクリ』所収のこの論文の狙いは、攻撃性という考え方を科学的な使用に耐える概念として確立することである。つまり、諸事実を客観化し、変数として扱うことで比較可能になるような…

「13という数と疑念の論理的形式」(その2)

*「13という数と疑念の論理的形式」(suite) ……この場合もまず、4枚ずつを皿に乗せる。 平衡すれば、悪貨は残りの5枚のなかにある。その場合、この5枚だけを使って、そのなかから1枚の悪貨を特定することはできない。 ところで、4枚のなかから1枚の…