lacaniana  

ラカンの全著作・全講義を年代順に読破するプロジェクト。

2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「ローマ講演」を読む(4)

序論(INTRODUCTION) まず、リヒテンベルクとロバート・ブラウニングからの引用が掲げられている。いずれも「太陽」にかんする一節である。 そして冒頭の一文。 Tel est l’effroi qui s’empare de l’homme à découvrir la figure de son pouvoir qu’il s’en…

「ローマ講演」を読む(その3)

「序」レジュメ後半(Ecrits p.293 最終段落より) 精神分析はもっぱらフロイトの概念に負っているが、フロイトの言葉遣いは誤解されており、その吟味が必要である。人類学や現代哲学に照らしての吟味は有益であろう。フロイト用語は日常的に使われているう…

「ローマ講演」を読む(その2)

(承前)「序」において、この論文が発表された経緯が略述される。恒例の年次集会においていみじくもことば(parole)という題目をふりあてられたラカンは、Mons Vaticanus(バチカンの丘)は vagire の語源であり、じぶんの講演を謙遜と自負をこめて、新生…

「ローマ講演」を読む(その1)

*「精神分析におけることばと言語活動の機能と領野」( Fonction et champ de la parole et du langage en psychanalyse, 1953.) これまでのラカンの探究の中心にあった心像についての言及はわずかで、問題意識は言語のほうに大きくシフトしている。ここま…