lacaniana  

ラカンの全著作・全講義を年代順に読破するプロジェクト。

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「たぶん何も」と「もしかして何も?」:『同一化』第14講(その3)

承前。 欲望のグラフにおける裂け目は、<他者>への答えの求めが rien peut-être と peut-être rien のあいだで揺れることにある。 以下のグラフ下段がメッセージである。 メッセージは現実界への主体の参入によって構成される開けとしてわれわれに現れるも…

トーラスの動物:『同一化』第14講(その2)

承前。 objet a は、鏡像段階のレベルでの他人(l’autre)のイマージュ、i(a)自我理想を内包している。 とはいえ、この関心はひとつの形態でしかない。それはこのニュートラルな関心の対象であり、ピアジェはかれが相互性とよぶこの関係を前景化しているが、…

エディプスという結び目:セミネール『同一化』第14講(1)

第XIV講(21/03/1962) 前回は二つのトーラスのサンボリックな抱擁で終えた。そこにおいて想像的に転倒(interversion)の関係が具現している。この関係を神経症者は生きている。神経症者がみずからの欲望を基礎づけよう(fonder)、立ち上げようとするのは…