lacaniana  

ラカンの全著作・全講義を年代順に読破するプロジェクト。

2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「ローマ講演」を読む(その11)

Ecrits, p.260~p.263 二段落め(レジュメ) フロイトを理解するためにはフェニシェルを読むよりもフロイトを読むほうがよいという考えの学生は、それを実行に移すときに知るだろう。われわれが述べてきたことはすべて、その調子の辛辣さ、つかわれている隠…

「ローマ講演」を読む(その10)

Ecrits, p.256 第三段落〜 p.259末尾(段落ごとのレジュメ) 各瞬間の連続性はいったん解体される。過去の既往症との連続性は、現実のレベルにおいてではなく、真理のレベルにおいて検証されるべきである。充実したことばが過去の偶然に意味をあたえ、それを…

「ローマ講演」を読む(その9)

Ecrits, p.254 後半~ 「いま、ここ」と既往症、強迫神経症的な主体内性(intrasubjectivité)とヒステリー的な間主体性(intresubjectivité)、抵抗の分析と象徴的解釈の対立から、「充実したことばの実現」がはじまる。 充実したことばの実現がうみだす関…

「ローマ講演」を読む(その8)

Ecrits, p.249 ~254前半 段落ごとのレジュメです。 ……ではその「仕事」とはいかなるものか? 徹底操作(durcharbeiten)という翻訳者泣かせの(「困憊する試練」)概念が想起され、ボワローの『詩法』の一節が引用される。「なんども仕事にたちもどり、[製…

「ローマ講演」を読む(その7)

ぜんたいで三部構成となる「ローマ講演」。第一部は、「主体の精神分析的実現における空虚なことばと満ちたことば」と題されている。 精神分析は、治療においても分析家養成においても研究においてもただひとつのメディウムしかもたない。患者のことばである…

超訳!「ローマ講演」(その6)

「序論」のつづきからさいごまで。 アメリカでは、精神分析が、社会的適応、行動のパターン、「人間関係 human relations」という観念にふくまれる客観化についての学説にねじまげられてしまっている。「人間工学 human-engineering」とは言い条、そこからは…

「ローマ講演」を読む(その5)

「序論」レジュメのつづき。 ……以上の原則から、象徴的なもの、想像的なもの、現実的なものという三つの状況の分割が可能になる。これら三つのものがさまざまな「防衛」のありかた(「孤立」、「取り消し」、「否定」。より一般的には「無視」)を規定する。…