lacaniana  

ラカンの全著作・全講義を年代順に読破するプロジェクト。

2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

フロイトに帰れ:「ローマ講演」第3部(その5)

Ecrits, p.301~ のみならず語は、それじたい象徴的な外傷[lésion]を被り、患者がその主体である想像的な行為を為し遂げることができる。W(Wespe 蜜蜂)が「去勢」されて、狼男のイニシャル S.P. になったように。その瞬間、かれはグルーシャ(蜜蜂)から…

メディウムとしての声:「ローマ講演」第3部(その4)

Ecrits, p.299~ 秘密の言葉の原始的な伝統における使用においては、主体がみずからの人格あるいはみずからの神々をつぎのように同定する。それらを明かすことが、みずからを喪失したり、神々を裏切ったりすることになるのである。じぶんについての打ち明け話…

私は探さない。みつける。:「ローマ講演」第3部(その3)

Ecrits, p.296~ とはいえ語形論のカバーする領域には期待がもてない。ある著者(エルンスト・クリス)は、同じひとつの抵抗から、demande for love のかわりに need for love という解釈を「意識的熟考なしに」引き出したとよろこんでいる。論文のタイトルは…